個々のエネルギーが、事業の未来を形づくる組織カルチャー。
プロフィール
オルグロー株式会社 取締役。ベトナム子会社の代表取締役を兼任し、オフショア開発事業を立ち上げ、社員数100名以上に成長させる。日本とベトナムの制作・開発部門を統合したシステム開発を設立し、全社のクリエイティブを担当。
オルグロー株式会社 取締役。人事労務・企画マーケティング部門の責任者を務めながら『SALES SCORE』、『ALLGROW WORKS』の事業立ち上げを担当。領域横断的な実務経験をもとに、事業推進・マネジメントをおこなう。
オルグローは、事業拡大や新たな挑戦に向けスタッフのマインドや人間性をとても重視しています。誠実さや主体性、柔軟な対応力を備えた人材が活躍できる環境づくりを目指し、個々人のポジティブな力や自発性が組織に与える影響を大切にしているカルチャーを、事業責任者のお二人の対談をとおしてご紹介します。
現在の職務についてお聞かせください。
オルグローの取締役として、HR事業部の代表を担っております。HR事業は2つのサービスを運営しておりまして、1つは営業職の採用適性検査ツールの提供、もう1つは求職者の採用の支援・人材紹介支援のサービスです。
事業への関わり方、スタンスなどをお聞きしたいです。
ありがたいことに顧客も増えて売り上げも伸びていますので、中長期的な課題や取り組みに注力しています。事業部の今後の方向性を考えてのトライ&エラーを含めての取り組みです。
チームを引っ張っていくうえでのスタンスは、こうでありたいという組織像の基準を自分がまずしっかり持つこと、そして、それを押し付けることなく、周りの人間に本当にいいと思ってもらえるような立ち振る舞いを重ねることですね。組織風土の維持が大切だからです。
そのために、日々の些細なトラブルにも目を配っています。トラブルはやはり発生するものですが、細い芽を放置していると悪い方向に行くという肌感覚があるので気をつけています。
南さんは事業部の皆が働きやすい環境を作っていくうえでの潤滑油的な動きをとる、マネージメントに徹底しているように感じています。
はい、やはり組織は人だと思っています。少し上から目線での言い方になってしまいますが、優秀な人がポジションについてくれたときの事業の加速スピードを体験しているんです。
オフショア開発は、何か1つのプロダクトを作って同じものを売り続けていくような再販性のある事業ではないですし、人材の採用や育成が必要になる労働集約的なビジネスです。
事業規模の拡大に合わせて、体制も大きくしていかなればなりません。
ですので、体制のなかで強化していきたいポジションが発生したときに、いい人材を見つけたらアプローチして会社の魅力を伝えて仲間になってもらい、彼らが自分の力を最大限発揮できるようにすることが自分の役目のひとつだと考えています。メンバーが働きやすい環境づくりに注力していますね。
ですが、事業の立ち上げのときは違いましたよ。当初は、営業活動もサービスを回していくことも、すべて自分が関わっていました。
転換期のような時期はあったのでしょうか?
壁にぶち当たったというか、変化の必要に迫られたといいますか。事業が拡大して組織の人数が増えていくにしたがって、個人としての力の限界を感じましたし、現実的に回らなかったんです。分業を進めて、各人が尽力してくれる組織作りを進めたことで階段をのぼることができました。
HR事業部についてはいかがでしょうか?
南さんのお話を聞いていて、事業部やチームの規模感の違いを感じていました。今の自分は、立ち上げ当初の南さんと同じような立場です。 代表としてのスタンスとなると、まだチームが小規模なのでメンバーの個々の活躍がチームに与える影響力が非常に強く、それ次第でいかようにも突き進んでいけるところがあります。だから、メンバーが得意なことをどう伸ばせるかという意識を強く持っています。 各人が得意なことをやれる環境を作りたいですし、苦手なことは自分が巻き取ってでも成功への道筋を作りたいですね。
事業のフェーズによって、どこまでをメンバーに委ねられるかは変わってきますよね。
今は実務みたいなことにも関わられていますか?
そうですね、関わっています。僕の場合はチームを作っていく初期のところで、業務フローであったり営業の方法や集客の仕組みまで、すべてそれを一通り経験したくて、だからこそ事業を立ち上げました。私も自分でPDCAを回すことに関わっていきたくて、全部を回して自分にも府に落として、チーム全体で勝ち筋を見つけていきたいと思っています。
ただ、自分が実務をすることを楽しんでいるけど、自分が花形プレイヤーとしてトップセールスとして輝きたいというわけではないので。チームのメンバーのキャリアを第一に考えたうえで、自分がすべき行動をしています。
事業を成長させていくうえでの課題を教えてください。
少し前談が長くなりますが、ビジネスとは突き詰めていくと取引であって、取引とは需要と供給のことですよね、欲しい人と欲しいものを作れる人がいて取引が成立します。
僕の場合は、需要に応えたいというか、率直に売れるものを作っていきたいというタイプなので、お客さまの需要を見極めてどういった開発者が求められていくかを考え、逆算的にサービスを設計しています。
どういったエンジニアのニーズがあるのか、どれくらいの金額なら言葉や文化も違うエンジニアを選んでもらえるのか、どういった人を集めればいいのか、それを踏まえてのエンジニアの採用・教育、サポートといった一連の流れがあるわけです。
需要に応えるということは、市場の変化に対応していくということです。業種的にも市場はつねに変動しているので、それに応じられる組織であったりサービスを作っていかなければなりません。最近でいうとAIの普及という大きいトピックもありますし、5〜10年後どうしていくかも考えていかないといけないですしね。
需要に応じてサービスを変えていかなければならない、というお話ですよね。現場レベルでの負荷も高いのでしょうか?
昔は、スタッフたちに専門分野ではないタスクを強いる状況もありましたが、今は、各チームに信頼できる人が揃っている体制があるので、各スタッフがそれぞれの現場での得意なことに集中できるようになってきていると思います。
柔軟性の高い体制を構築していくことは、これまでもこれからも継続的な課題ですが、ずっと取り組んできたことでもあるので、そういう組織になってきていますね。
僕の場合は抽象的な表現ですが、事業部のコアになるようなものを作っていくことですね。
日々の業務への姿勢からサービスや求職者への向き合い方を含めたマインドセットのことも含まれていて、一番重要なことだと思っています。
今、作ろうとしているチームのカルチャーが、今後事業が大きくなってきたときに組織の基準になると考えているからですね。チーム全体のマインドが日々の仕事の取り組み方に、ポジティブに現れてくるような状況を目指しています。一方で、メンバー個々人の個性を尊重するバランス感覚も非常に考慮してます。そこも課題ですね。
マインドの統一という話題があがりましたが、どのようなマインドを志していますか?
まず、掲げる人物像をチーム内で矛盾のない状態にしておきたいところがあります。
いくつか例を挙げますと、
・常に変化していてほしいし、チームに変化を与えられる人間になってほしい
・誠実であること
・仕事に対してエモーショナルな関わり合いをしてほしい。
こういったことになりますね。メンバーにも求めていますし、自分もそうありたい、そういうチームにしていきたいです。もちろんメンバーの価値観や多様性は尊重されますが、事業部全体として目指す方向は皆一緒に突き進んでいきたいですね。
大きい組織のほうがマインドの統一に苦心される印象がありますが、いかがでしょうか?
マインドの統一は本当に大事なことで、皆が同じ方向を向いて一緒に向かっていくことが重要です。そうあるために基準となるような価値観は、絶対に守っていきたいですね。
求めるマインドについても、吉田さんの言葉に共感しています。うちの事業部では、とくに誠実さや善であろうとすること、という人間性をとても重要視しています。
やはり人数が多くなってくると、自分と直接話せる・関われる人の数や時間がとても限られてきます。組織がよしとする価値観を大切にしたミュニケーションを僕自身がとることで、自分以外にそう思ってくれる人を増やしていくことが自分の役割のひとつですね。
吉田さんの場合は、メンバーに直接そういったお話をされる時間も多いのですか?
僕からの発信もありますが、まずは自分自身が常にゴールを見据えるようにしています。メンバーの業務サポートをするうえで、ケースバイケースのアドバイスはあっても大きい方向性はぶれませんし、ゴールそのものも絶対にぶれないようにします。
事業は違えど、求める人材には共通点がありそうですね。責任者としてのお考えをお聞かせください。
エネルギーのある方には是非、オルグローに興味を持っていただきたいですね。
事業の形態やタイミングによって求める人材が変わるところは確かにありますが、熱量や継続する力を持った方には是非お声がけをしたくなります。
エネルギーの原動力や根っこは、人それぞれでいいと思うんです。昇進したいとか、自分が将来こうなりたいとか、事業を変えていきたいとかでもなんでもよくて。
自分自身の前向きで主体的なベクトルで仕事と向き合えているような人と、是非一緒に働きたいですね。だからこそ、HR事業部では先にお伝えしたマインド・思考性を掲げています。
何故、ここで働いているのか、この仕事をしているのかみたいなところを曖昧にせずに働いている方が、オルグローでは活躍していると思います。その答えは各人によって異なるのでしょうが、日々働くうえでの強い動機がある人は自発的な行動をとりますし、働くことに対して圧倒的にポジティブですね。
僕もプレイヤーだったときには、なにかスキルを覚えることと自分の将来がつながっているという気持ちが強くて、だれよりも勉強しましたし、実践しました。今は自分が束ねているメンバーたちに、腹落ちするエネルギーを持たせてあげたいです。
論理的な思考力や柔軟性、学習能力、課題発見能力・・・といったことも、とても大切なんですが、人間性を重視しています。
誠実で善であろうとする姿勢をまず第一に大切にしていることはお伝えしましたが、主体的に考えて行動できるエネルギー、失敗をしても改善していける心の持ち方、双方向のコミュニケーションを実践できる方が嬉しいですね。
吉田さんが、オルグローもしくはHR事業部において大切にされていることはなんですか?
オルグローはまだ数百名規模の会社ではなく、個人のポジティブな力で会社や事業を変えることができる組織だと思っています。自分自身、取締役としてそういう状態を望んでいます。
そして、この先会社や事業がもっと大きくなったとしても、個々人が変われば、会社なり組織なりに影響を及ぼせるほうが働くことが楽しいんじゃないのかな、と思っていますし、ずっとそういうことが可能な組織であり続けたいです。
また、HR事業部は求職者の働きやすさを支援する採用活動のサポートをおこなう部署なので、まずは自分たちの環境もスタッフにとって働きやすい場所でありたいですし、そういった環境づくりも大切にしています。
ありがとうございました。
最後の質問を南さんにお伺いします。今後のビジョンを教えてください。
考えていることはたくさんありますが、
まずは、今やっている事業の延長線上で拡大していくことです。
2つめは、オルグローの各事業が成長できるように制作開発面からサポートしていくこと、
最後にこれまで培ったものを生かしながら、全く違う事業も展開していきたいです。
エンジニアソリューション事業部とクリエイティブラボ事業部で代表を務めており、主に日本のお客さまに対してベトナム人エンジニアの貸出やお客さまのプロジェクトの成功をサポートするような体制作りをしています。クライアントの制作・開発プロジェクトの成功に大きなやりがいを見出しながら、取締役として日々事業の発展のために取り組んでいます。